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2010.10.21

VOGUE撮影 蓮舫批判のいやらしさ

 国会議員になる前の蓮舫氏をじかに見たのは一度きり。1995年3月のある日、東京・築地の聖路加病院でだった。

 その日、病院の中は近くの地下鉄の駅から運び込まれてきた大勢の患者、警察・消防関係者、マスコミでごった返していた。治療室や病室に収まりきらないのか、待ち合いスペースの長椅子やフロアに横たわっている患者もいた。聖路加は2階に大きな礼拝堂があり、そこにも多くの患者が運ばれていた。多くは通勤途中のサラリーマンやOLのようだった。

たまたま家族が聖路加に入院していた私は、午前中のテレビニュースを見て青くなり、あわてて病院に行った。地下鉄の中で何者かが毒物らしきものを散布したという報道だった。家族がいた病棟の上階は平静だったが、看護士さんの数がいつもより少ないように感じた。事件がオウム真理教の信者による犯行で、撒かれたのがサリンだということは、その時はまだわからなかった。

 野戦病院のような、と言うと大げさだが、とにかく緊迫感と得体の知れないものに襲われた恐怖に包まれた聖路加のフロアをせわしなく動き回る記者たちの中に、カメラクルーを連れてマイクを手にした蓮舫氏がいた。当時キャスターを務めていた夕方のニュース番組の取材だったのだろう。ごく普通の服装をしていたと思うが、そんな状況でもパッと視線を引くスタイリッシュさがあったのを覚えている。

 VOGUE NIPPONに掲載された国会議事堂内で撮影した写真も、そんな彼女だからそれなりにファッション性の高いグラビアになり、それゆえに批判が増幅されているように思う。あのロケーションを選んだ編集者やフォトグラファーのセンスもあるが、被写体にある程度のスタイリッシュさやオーラが備わっていないと(デジタル処理で補正しないかぎり)グラビアは映えない。

 撮影自体やメディアでの露出の仕方の良し悪しで言えば、こういうのはどんどんやるべきだと思う。別に蓮舫氏でなくてもいいし、公明党や自民党や共産党だってどんどんやればいい。

 今の政治家や政党には、政治という仕事を「クール」に見せる努力や工夫が欠けている。格好がすべてではないが、ダサい人ばかりなのも困る。本質的には「語る言葉」が最も大事なのでTwitterやブログもいいが、都市化が進んで洗練された文化に囲まれて暮らす有権者が増えている状況では、視覚的に訴える要素もほしい。

 自民党の片山さつき氏や佐藤ゆかり氏が蓮舫氏を批判したのは、そうした都市型文化に違和感をもつ層に「ほら、やっぱり民主党は浮ついているでしょ」とアピールしたいポジショントークなのだろう。

 ただ、本当は自分たちもやりたかったことをやられてしまったことへの腹立ち、グラビアの出来あがりがスタイリッシュだったことへのジェラシーにも聞こえてしまうのが悲しい。小池百合子氏は批判せず、「外国では(議会で)夕食会やコンサートも開かれている」などとシレッと語って蓮舫氏をフォローしてしまっているところにも、自民党の女性議員ごとの余裕の差を感じる。
 
 事業仕分けでの蓮舫氏の襟がとんがったスーツを見たときはかなり微妙なセンスに感じたが、VOGUEの写真なども、プロから見たファッションチェック的にはどうなのだろうか。

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受信: 2010.10.22 00:17

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